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みえきた市民活動センターの活動内容

平成22年度(第8期)事業報告書(平成22年6月1日より平成23年5月31日まで)
<目次>
平成22年度事業の方針および所信
【1】 全体の概要
【2】 運営について

1.諸会議の開催状況
2.財政の状況について
3.事業・会務・事務局等の運営全般について
4.資産の取得、機器の更新等について

【3】 個別の事業について

1.主として、まちの課題の発見と解決に向かって行う事業
−(1) まちのさまざまな課題の調査研究事業
−(2) その解決のための事業
1-(1)-1 小さな市民活動応援基金づくりの検討              (通年)
1-(1)-2 地域課題の発見と解決を意識した各種講座等への参加
(2010年7月5日、8月1日、 11月5日)
1-(2)-1 『社会貢献キャリア形成 市民活動元気応援研修事業』の三重県への提案
(2011年2月−3月)
1-(2)-2 三重県の「新しい公共支援事業」への参画   (2010年11月−2011年5月)
1-(2)-3 三重市民活動支援団体協議会設立準備会への参画   (2011年1月−5月)

2.主として市民活動団体に対して行う事業
−(3) まちのさまざまな課題を解決しようとしている市民活動の調査研究事業
−(4) その市民活動への応援事業
2-(3)-1 市町村の市民活動センターの交流会等への参加
(2010年10月17日、2011年3月26日)
2-(4)-1 「桑員まちのファンクラブ」への支援事業(通年)
2-(4)-2 「特定非営利活動法人 みえNPOセンター」への支援(1)    (通年)
2-(4)-3 「特定非営利活動法人 みえNPOセンター」への支援(2)
     「みえNPO検討会」のプロデュース          (2010年6月−2011年3月)
2-(4)-4 前掲以外の市民活動団体への支援               (通年)

3.主として、不特定多数の市民に向かって行う事業
−(5) その市民活動を行いやすい環境の調査研究事業
−(6) その市民活動を行いやすい環境づくり事業
3-(6)-1 まちのかわら版ITによる市民活動団体情報の提供       (通年)
3-(6)-2 インターネット、ホームページによる市民活動情報の提供    (通年)
3-(6)-3 東日本大地震の震災への対応           (2011年3月14日−)

【4】 活動計算書の算出に伴う計算根拠を補う活動状況の詳細





平成22年度所信(第8期:平成22年6月1日より平成23年5月31日まで)

 会員それぞれが自身の思いや提案を社会で形にしていくために、全員が理事もしくは監事という形態で法人格を共有した当会も、社会経済の変化に伴う個々の会員の状況の変化を受けて、転換点を迎えつつあるのかもしれません。当会を必要とする人々のニーズに応える当会の新たなありようを模索したいと思います。


平成22年度事業の方針(第8期:平成22年7月1日より平成23年5月31日まで)

(方針1)「市民活動の支援を中心に事業を行う」
(方針2)「会員の提案を事業の形にしていく」
(方針3)「当会の新たな姿を模索する」
(方針4)「低コストの運営を行う」


【1】 全体の概要

 特定非営利活動法人 みえきた市民活動センターは、平成16年4月法人登記をして設立しました。決算期の関係で第1期は2ヶ月であり、今期(第8期)は実質的にまる7年が終了する時期になります。また今期は、設立から第4期までつとめた郷司理事長にかわった服部理事長の4年目になります。

 全国的には、平成20年秋のリーマンショックから景気がゆるやかに回復しかけたところで東日本大地震が起こり、その震災の影響で人々は大きな打撃を受けました。自由な経済活動の健全な発展を通じて社会を支えるという戦後から一貫した「経世済民」の取り組みも、格差の拡大と経済の縮みをとどめることができていません。年末の税制大綱に盛り込まれたNPO法人への税制優遇も、政治の混乱の中で当期中には成立しませんでした。結果として、個人・市民の疲弊はますます進みました。

 当会の平成22年度の所信は、『会員それぞれが自身の思いや提案を社会で形にしていくために、全員が理事もしくは監事という形態で法人格を共有した当会も、社会経済の変化に伴う個々の会員の状況の変化を受けて、転換点を迎えつつあるのかもしれません。当会を必要とする人々のニーズに応える当会の新たなありようを模索したいと思います。』というものでした。

 それを受け、定款第二十条に添って総会で定めた当期の事業の方針は、「1.市民活動の支援を中心に事業を行う」「2.会員の提案を事業の形にしていく」「3.当会の新たな姿を模索する」「4.低コストの運営を行う」ということでした。理事会ではこれにもとづき当期の事業を計画・実施しました。もちろん個別の方針を単独に事業に対応させるというのではなく、それぞれの事業で複数の方針を反映して取り組みました。

 その中で、まず(方針1)「市民活動の支援を中心に事業を行う」については、足かけ4年目を向かえる継続事業である「まちのかわら版IT」を毎月一回ほどのペースで発信し、市民活動団体の紹介を主な目的としたインタビュー形式の音声ファイルをホームページに掲載しました。また、「桑員まちのファンクラブ」の事務局運営を継続して行い、情報交換や交流会を通じて、市民活動に関心のある地域の人たちのネットワークを目に見える形にしてきました。また、いくつかの地域の市民活動団体に対して必要な支援を行いました。また、三重県全域の市民活動への支援事業として、「みえNPOセンター」への支援を行い、「みえNPO検討会」をプロデュースしました。また、同様の考えから、「三重市民活動支援団体協議会準備会」への支援を行いました。

 次に、(方針2)「会員の提案を事業の形にしていく」については、東日本大震災への対応として、すばやい震災支援活動情報の提供と、みえ震災ボランティア支援センターへ資金を寄付するためのバザーとを行いました。

 また、(方針3)「当会の新たな姿を模索する」では、地域のインフラのひとつとして「市民活動応援基金」の検討と必要な対応を行いました。また、新しい「認定NPO法人制度」成立に向けての対応や、三重県が行う「新しい公共支援事業」への提案・対応なども行いました。また、これらの対応をふまえて、基金実現への環境整備を行いました。

 最後に、(方針4)「低コストの運営を行う」については、基本的に「持ち寄り」で運営するのが市民活動の原則であることから、金銭的に大きな支出を発生させることなく、また、事業収入も発生しませんでした。結果として最大の支出が地方住民税となりましたが、それは寄付で対応し、NPO法・NPO税法の改正についての議論や新しいNPO法人会計基準への対応が進みました。本報告書においても、可能な範囲で持ち寄り参加のコストを寄付金に換算して表示し、同基準にもとづいて活動計算書で示しました。


【2】 運営について                     2651千円

1.諸会議の開催状況                              620千円

 期間中、1回の総会(2010年7月28日)と5回の理事会(2010年7月28日、10月13日、12月22日、2011年3月17日、4月27日)、その他必要に応じて個別の会議を開催しました。また、役員(理事・監事)メーリングリストを有効に活用して頻繁に「相談・提案・報告・了承」を行い、当会の全体状況の把握や進んでいる方向の確認、個別の事業のスタンスなどの情報を共有しました。役員メーリングリストの期中の本数182本でした。

2.財政の状況について                            9352千円

 基本的に「持ち寄り」で運営するのが市民活動の原則であることから、大きな収入・支出が発生する特別の事業・事由はなく、また、会員の増減もありませんでした。最大の支出が地方住民税であることは変わりませんがその分は寄付で対応しました。ただし、当期から年会費を2千円に改めたことから、収入が減少しました。そんな中で短期借入金のうち5万円を返済し、借入金残高は25万円ほどになりました。未払い地方税額をのぞく手元資金は18万円ほどになりました。
 NPO法人会計基準にそった活動報告書に示したとおり、実際はもっと多くの持ち寄りをしていただいているのですが、ボランタリーに提供された資源を可能な範囲で金額に換算すれば920万円ほどでした。その意味は、その金額に相当する活動を行ったとも言えますし、それだけの寄付の集金力をそなえているということでもありました。

3.事業・会務・事務局等の運営全般について                  2013千円

 会務の役割分担は円滑行われ、ITを活用して運営は全体としてシンプルに行われました。通年事業のうち、「小さな市民活動応援基金づくりの検討」「まちのかわら版ITによる市民活動団体情報の提供」「まちのファンクラブの事務局機能」「ホームページ・メーリングリストの管理」についてはルーチンの対応でもありさほどの負担は生じませんでした。「特定非営利活動法人 みえNPOセンターへの支援(2)みえNPO検討会のプロデュース」については極めて大きな負担を少数のメンバーにかけることになりましたが、それも支障なく行うことができました。これらのことから、事務局運営も含め、運営全般について特記すべき事項は発生しませんでした。

4.資産の取得、機器の更新等について                        0千円

 今期は電話回線の契約変更にともなう電話工事を行いましたが、資産の取得、機器の更新などに関わる特記すべき事項はありませんでした。


【3】 個別の事業について                  6700千円

1.主として、まちの課題の発見と解決に向かって行う事業              687千円
−(1) まちのさまざまな課題の調査研究事業                     57千円
−(2) その解決のための事業                            622千円

1-(1)-1 小さな市民活動応援基金づくりの検討(通年)                      0.2千円
 (方針3)「当会の新たな姿を模索する」にもとづき、理事会、その他さまざまな機会を通じて、小さな市民活動応援基金づくりについての検討と議論を行った。また、それを実施するための環境整備を進め、その過程で全国的な認定NPO法人制度改正に向けた署名に加わり、NPO法人会計基準プロジェクトに参加した。

1-(1)-2 地域課題の発見と解決を意識した各種講座等への参加
      (2010年7月5日、8月1日、11月5日)                    57千円
 (方針3)「当会の新たな姿を模索する」という一連の取り組みとの関連で、愛知県一宮市、三重県津市、名張市で行われた3つの講演会に参加し、NPOへの新しい資金のながれづくりについて勉強した。

1-(2)-1 『社会貢献キャリア形成 市民活動元気応援研修事業』の三重県への提案
      (2011年2月−3月)                           353千円
 地域でNPO支援を行う人材の育成と、地域の市民活動全体の活性化と、地域の人々への市民活動のアピールを組み合わせた、『社会貢献キャリア形成 市民活動元気応援研修事業』を、「NPO地域人材育成事業企画提案」事業で三重県NPOグループに提案したが選外となった。

1-(2)-2 三重県の「新しい公共支援事業」への参画
       (2010年11月−2011年5月)                       
101千円
 三重県の「新しい公共支援事業」について、2回の「三重県新しい公共支援事業に関する意見交換会」に参加して意見を述べ、期中に行われた第1回の「新しい公共支援事業運営委員会」を傍聴し、三重県の同支援事業に中間支援NPOからの視点を提案した。また、隣の愛知県でのこの事業の取り組みの説明会にも参加し、情報の巾をひろげた。

1-(2)-3 三重市民活動支援団体協議会設立準備会への参画
      (2011年1月−5月)
                           167千円
 三重県全体の市民活動支援の底上げをはかる目的で、三重市民活動支援団体協議会の設立の必要性を認め、その準備会を主導し、期中に3回の準備会に参加した。また、その準備会で三重県のNPO施策のビジョンづくりに取り組む事業として、『三重県のNPO施策への政策提言事業』を「NPO支援機能強化事業企画提案」事業で三重県NPOグループに提案したが選外となった。


2.主として市民活動団体に対して行う事業
−(3) まちのさまざまな課題を解決しようとしている市民活動の調査研究事業       31千円
−(4) その市民活動への応援事業                        3114千円

2-(3)-1 市町村の市民活動センターの交流会等への参加
      (2010年10月17日、2011年3月26日) 31千円
 桑名市市民活動センターが行う市民活動交流会に2回参加し、地域の市民活動団体との情報交換・交流を行った。

2-(4)-1 「桑員まちのファンクラブ」への支援事業(通年)               390千円
 桑名員弁地域で市民活動に関心のある人たち91名のゆるやかなネットワーク「桑員まちのファンクラブ」の事務局を担い、4回の交流会への参加と1回の情報交換会を行った。また、ホームページ、会員メーリングリスト、世話人・運営委員メーリングリストの提供と、サーバーの移行にともなう再設定を行った。また、ふたつの事業の後援を行った。

2-(4)-2 「特定非営利活動法人 みえNPOセンター」への支援(1)(通年)        268千円
 理事・評議員各1名を輩出し、特定非営利活動法人みえNPOセンターの運営を支えた。また、情報交換会などの事業に参加した。平成23年3月末で理事として担当していたみえNPO検討会の事業が終了したのにあわせて理事を辞任して引き上げた。

2-(4)-3 「特定非営利活動法人 みえNPOセンター」への支援(2)           2227千円
       「みえNPO検討会」のプロデュース(2010年6月−2011年3月)
 前期に同事業の企画・プレゼンを行い、三重県NPOグループより緊急雇用対策を活用した「NPO支援機能強化企画提案事業」で420万円の委託契約を得た。これを受けて6月から実施の準備を行い、8月から翌年2月にかけて実施し、3月に報告書をまとめ決算を終えて完了した。三重県内各地の中間支援組織の若手・キーマンを中心とした15人の検討委員が、全国的に著名な12名の講師から「NPOの新しいうごき」の話題提供を受けて議論した。これらをインターネット中継し、逐語議事録をホームページに掲載したりして、多くの人たちに発信し、検討内容の共有を図った。

2-(4)-4 前掲以外の市民活動団体への支援(通年)                   227千円
期中に、桑員エコリーグへの「メーリングリストの提供とエコフェスタへの参加」、パートナーシップサポートセンターへの「企業とNPOの協働事業アイデア提案事業への応募と参加」、いなべこども活動支援センターへの「NPO法人格の学習会の講師派遣」、エンパワメントみえへの「新規事業の展開への対応アドバイスとサポート」、みえ災害ボランティア支援センターへの「バザーと募金よる寄付と、緊急集会・三重−東日本大震災への参加」などの支援を行った。


3.主として、不特定多数の市民に向かって行う事業
−(5) その市民活動を行いやすい環境の調査研究事業                  0千円
−(6) その市民活動を行いやすい環境づくり事業                 2827千円

3-(6)-1 まちのかわら版ITによる市民活動団体情報の提供 (通年)          2562千円
 地域で市民活動を行っている方のインタビューを中心にインターネットで提供しているまちのかわら版ITは、ほぼ1ヶ月に1回の割合で11回発行し、12の市民活動団体の紹介をした。また、「子どもが抱える課題」や「郷土の歴史」の連載、「NPO法・税制」「新しい公共支援事業」「東日本大地震」などNPOの周辺の時事情報の提供を行った。また、ペーパー版のまちのかわら版2010年秋特集号を発行し、折々に配布した。

3-(6)-2 インターネット、ホームページによる市民活動情報の提供 (通年)          193千円
 全国規模のNPOに関わる大きなうごきや、全国各地の注目に値するNPO関連情報、三重県やこの地域の市民活動情報など319本を、メールで発信した。また、この地域の88の市民活動団体情報を掲載している。4月にはホームページのリニューアルを行った。

3-(6)-3 東日本大地震の震災への対応 (2011年3月14日〜)                            72千円
 平成23年3月11日の東日本大地震への対応として、ホームページで震災被害や支援活動のすばやい情報提供を行った。その関連で、「震災支援全国ネットワーク」に加入した。また、翌期に開催を予定している座談会「震災をあらためて考える & 市民の活動を応援する」の準備を行った。


【4】 活動計算書の算出に伴う計算根拠を補う活動状況の詳細

【 諸会議の開催状況 】                             620千円
                      
 期間中、1回の総会(2010年7月28日)と5回の理事会(2010年7月28日、10月13日、12月22日、2011年3月17日、4月27日)、その他必要に応じて個別の会議を開催しました。また、役員(理事・監事)メーリングリストを有効に活用して頻繁に「相談・提案・報告・了承」を行い、当会の全体状況の把握や進んでいる方向の確認、個別の事業のスタンスなどの情報を共有しました。役員メーリングリストの期中の本数182本でした。

[総会]

○ 平成22年度第1回総会 
日時:平成22年7月28日(水)午後7時から7時45分
場所:桑名市市民活動センター2階会議室
出席者:正会員8名(内理事7名、監事1名)

第1号議案 平成21年度事業報告案の承認の件
第2号議案 平成21年度決算案の承認の件
第3号議案 平成22年度よりの年会費の変更の件
第4号議案 平成22年度所信ならびに事業の方針の件
  他

[理事会]

○平成22年度 第1回理事会
日時:平成22年7月28日(水)午後7時45から8時25分
場所:桑名市市民活動センター2階会議室
出席者:理事7名、監事1名

<協議事項>
第1号議案 既存の事業について
第2号議案 法人格について
第3号議案 当会のこれからについて
第4号議案 やってみたい事業について
   他
<報告事項>
第1号報告 三重県内各地の市民活動センターの状況について
  他

○平成22年度 第2回理事会
日時:平成22年10月13日(水)午後7時から8時30分
場所:桑名市市民活動センター2階会議室
出席者:理事6名

<審議事項>
第1号議案 PSCへのアイデア提案の件
   他
<協議事項>
第1号議案 この地域のファンドづくりについて
第2号議案 平成23年度緊急雇用対策への応募について

<報告・依頼・確認事項>
第1号報告 三重県の来年度の取り組みについて
第2号報告 桑名市の市民活動支援の外部への委託について
第3号報告・依頼 10月17日の桑名市御台所祭りでの交流会について
第4号報告 認定NPO法人制度改正に向けた署名について
第5号確認 インフラとしてのNPO法人格の活用について
  他

○平成22年度 第3回理事会
日時:平成22年12月22日(水)午後7時から8時30分
場所:桑名市市民活動センター2階会議室
出席者:理事6名

<審議事項>
第1号議案 小さな市民活動応援ファンドの設立の件
第2号議案 ファンド設立の呼び水としての緊急雇用対策事業への応募の件
第3号議案 「新しい公共」事業についての意見交換会への参加について
第4号議案 三重市民活動支援団体協議会設立準備会への参加の件
第5号議案 市民活動研修事業への応募の件
第6号議案 NPO法人会計基準プロジェクトへの参加の件
   他
<協議事項>
第1号議案 認定NPO法人の取得のふたとおりのやり方の検討について
   他

○平成22年度 第4回理事会
日時:平成23年3月17日(木)午後7時から8時
場所:みえきた市民活動センター
出席者:理事6名(内書面出席1名)
オブザーバー:1名

<審議事項>
第1号議案 東北太平洋沖大震災への対応の件
第2号議案 3月26日の桑名市市民活動交流会の対応の件
  第3号議案 エンパワメントみえとの事業連携の件
  他

○平成22年度 第5回理事会
日時:平成23年4月27日(水)午後7時から8時30分
場所:桑名市市民活動センター2階会議室
出席者:理事6名(内書面出席2名)

<審議事項>
第1号議案 東日本大震災復興支援ボランティア活動報告会の件
第2号議案 「新しいNPO会計基準」の採用の件
第3号議案 小さな市民活動団体を応援する基金づくり事業の件
第4号議案 みえ市民活動ボランティアセンターの指定管理の件
第5号議案 「新しい公共支援事業」のその他の事業の件
第6号議案 まちのかわら版ITのフォーマットの件
   他
<協議事項>
第1号議案 平成22年度決算見込みと税の減免について

<報告事項>
第1号報告  エンパワメントみえの支援について
  他

 

【 個別の事業についての詳細 】                       6700千円

1.主として、まちの課題の発見と解決に向かって行う事業                 687千円
−(1) まちのさまざまな課題の調査研究事業                        57千円
−(2) その解決のための事業                               622千円

1-(1)-1 小さな市民活動応援基金づくりの検討(通年)                      0.2千円

 (方針3)「当会の新たな姿を模索する」にもとづき、理事会、その他さまざまな機会を通じて、小さな市民活動応援基金づくりについての検討と議論を行った。また、それを実施するための環境整備を進め、その過程で全国的な認定NPO法人制度改正に向けた署名に加わり、NPO法人会計基準プロジェクトに参加した。

 具体的な検討としては、年度はじめの理事会・総会において、「当会の新たな姿を模索する」方針を決定したことからはじまった。次いで、財政規模15万円の支出のうち地方税の7万円は無駄ではないかとの議論から、法人格の必要性について検討した。全員が役員に就任するという設立の経緯があり(方針2)「会員の提案を事業の形にしていく」ということから、法人格を活用した事業を行える状況が必要であることと、NPO法人格を持っていることで行政の施策への対応が行いやすく、NPOの全国ステージとの連携の前提ともなっていることとから、法人格の必要性を確認した。

 一方で、地方税課税について、現状の不透明な県民税・市民税の均等割の免除実態を鑑み、認定NPO法人制度の成立に向けたうごきを推進し、現状は正々堂々と納税することで制度の改正を唱える立場を選択することとした。ただし、会員会費を10000円から2000円に引き下げることで、この会費額で特段の対応をすることなく当会が納税を続けることが財政上許される3年間をひとつの区切りとし、この間に地方税への対応を含め何らかの展開をはかることを明確にした。

 平成22年末には、全国的な認定NPO法人制度改正に向けたうごきに連動して、NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会が行った同制度改正の署名に加わった。並行して、NPO法人会計基準プロジェクトに参加し、新しいNPO法人法・税法への対応を進めた。また、この地域の小さな市民活動を応援する小さな基金ついて協議をはじめた。三重県の翌年度の取り組みについても積極的に情報収集を行い、三重県の「新しい公共支援事業」についての意見交換にも継続的に参加した。この地域の市民活動団体全体の活性化とそれを呼び水とした基金づくりの環境整備も意図して、三重県の平成23年度緊急雇用対策「NPO地域人材育成事業企画提案」に応募したが結果は選外だった。

 3月11日の震災対応でも、税制上の寄付控除を持たないNPO法人では、震災ボランティア支援活動を行う団体への寄付も集めづらく、認定NPO法人による小さな市民活動団体を応援する基金づくり事業を進めることになった。ただ、当会を認定NPO法人化するか、最初から認定NPO法人化することを前提に新しいNPO法人を設立するかについては引き続き検討を進めることとし、その対応も含めてまずは「新しいNPO会計基準」を採用することにした。

 これらの経緯をふまえ、三重県が平成23年度と24年度に実施を予定している「新しい公共支援事業」を基金づくりに活かしていくことになった。基金づくりについて、当初から桑名・員弁地域を対象エリアとして想定していたこともあり、いなべ市で中間支援的活動を行いうるネットワークを持つ「いなべ子ども活動支援センター」さんと、東員町で同様の対応が可能な「生ごみリサイクル思考の会」さんとの連携を進め、同事業を活用した基金づくりに取り組むことになった。


1-(1)-2 地域課題の発見と解決を意識した各種講座等への参加
      (2010年7月5日、8月1日、11月5日)                    57千円

 (方針3)「当会の新たな姿を模索する」という一連の取り組みとの関連で、愛知県一宮市、三重県津市、名張市で行われた3つの講演会に参加し、NPOへの新しい資金のながれづくりについて勉強した。

 平成22年7月22日に、愛知県一宮市の一宮地場産業ファッションデザインセンターで行われた「1%支援フォーラム2010」は、「市民が選ぶ市民活動支援制度」を導入している愛知県一宮市が主催した。『ハンガリーで始まった、自身の所得税の1%を指定した団体に寄付できる制度を発端として、日本国内でもいくつかの市町村で行われており、一定の条件を満たした市民が、自身の応援したい市民活動団体を選択して届け出ることができ、その選択結果に基づき団体に支援金が交付される制度のこと』で、国内の7つの市町村の取り組みの比較と、一宮市で実践している市民活動団体の人たちとのグループディスカッションを行った。

 平成22年8月1日に、名張市の名張市市民情報交流センターで行われた、名張市『新しい公』連続講座「少子高齢化時代を生きる 問題解決セミナー」の第2回講座に参加した。テーマは「少子高齢化野中での新しい社会作りとNPOの役割」、講師は、NPO法人 シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 副代表理事の松原明さんだった。ここでは、各地でのNPOの取り組みが具体的に紹介され、地域とNPOの役割について、人々の力でNPOという手段を使って地域を支えている事例がたくさん示された。

 平成22年11月5日に、津市の三重県勤労者福祉会館で行われた、三重県の平成22年度第5回トレンドセミナーに参加した。ここでは、「寄付が、社会を変える」というタイトルで、NPO法人 シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 副代表理事の松原明さんの講演会に3名で参加した。人々が社会に参加するひとつの形として寄付があり、その新しい資金の流れによって、不特定多数の人々に対する公益としての市民活動が社会を変えるという主旨だった。


1-(2)-1 『社会貢献キャリア形成 市民活動元気応援研修事業』の三重県への提案
      (2011年2月−3月)                           353千円

 地域でNPO支援を行う人材の育成と、地域の市民活動全体の活性化と、地域の人々への市民活動のアピールを組み合わせた、『社会貢献キャリア形成 市民活動元気応援研修事業』を、「NPO地域人材育成事業企画提案」事業で三重県NPOグループに提案したが選外となった。

 緊急雇用対策を活用した三重県のこの募集で提案した企画は、5人の失業者を月額20万円ほどで10ヶ月間雇用し、研修事業終了の後、この地域のNPOへの就業にいざない、地域の市民活動全体の底上げに活躍してもらうという内容であった。すなわち、20ヵ所以上のNPOでの現場研修と、NPO全体の知識と手法を身に付ける講座、この地域の現場の優れたNPOの方々からの分野別講座、これらの体験からの感想と発見をまとめてITラジオを使って自身で発信し、成長していく若者たちのドキュメントをかねた番組として、地域の人たちに市民活動を知ってもらうという、総額2125万円の事業だった。

 平成22年の末に仕様が発表され、平成23年1月17日に桑名市市民活動センターで行われた説明会に参加し、2月14日に提案書を提出、3月1日にプレゼンテーションを行った。提案は受け容れられず、選外となった。この企画が実現できていればこの地域の市民活動全体の活性化と基金づくりの基盤整備になっていただけに残念なことであった。


1-(2)-2 三重県の「新しい公共支援事業」への参画(2010年11月−2011年5月)     101千円

 三重県の「新しい公共支援事業」について、2回の「三重県新しい公共支援事業に関する意見交換会」に参加して意見を述べ、期中に行われた第1回の「新しい公共支援事業運営委員会」を傍聴し、三重県の同支援事業に中間支援NPOからの視点を提案した。また、隣の愛知県でのこの事業の取り組みの説明会にも参加し、情報の巾をひろげた。

 平成21年9月に発足した鳩山政権のもとで「新しい公共」円卓会議が検討を進めた「新しい公共」宣言が平成22年6月に決定され、その提案の制度化として、「新しい公共支援事業」が行われることになった。これは、総額100億円ほどを都道府県がそれぞれに基金をつくり、2年間で使い切る形の施策を進めることになった。今回の「新しい公共」は、これまでの公共を担う人を増やすいとうことではなく、それぞれの主体の考える公共を認めるという、「公共」そのものを広げるという考え方で進められた。このため、NPOの基盤強化への本格的な施策として政府のうごきを早くから注視していたが、最終的に全国で86億円規模、三重県では1億5千万円の基金がつくられた。

 三重県はその施策内容を計画するにあたり、中間支援NPOを中心とする意見交換会を平成22年12月、平成23年1月、5月の3回開催した。そのうち2回に参加した。また、平成23年3月31日に開催された基金運営委員会を傍聴し、意見交換会での発言に反映させた。1月26日の意見交換会では、三重県の中間支援団体の分布やその現状をふまえ、県民局単位で地区割りし、各地の中間支援団体の実情にそった自由度の高い形で、新しい公共を支える資源循環の基盤づくりの提案を受けるよう提案した。5月12日の意見交換会では、第一回の運営委員会でのやりとりをふまえ、これまでの施策のふりかえりもふまえた三重県のNPO施策全体を体系化するビジョンの必要性と中間支援団体の定義とを提案した。その間、平成23年3月23日に愛知県東大手庁舎で愛知県県民生活部社会活動推進課が行った「新しい公共支援事業に係る説明会」に参加し、それぞれの県で考え方や実施方法などが異なることから、この事業の設計の自由度の大きさを実感した。

 その後、三重県の「新しい公共支援事業」については、期末に「NPO等からの協働事業提案募集」の広報依頼が三重県からあり、ひきつづき対応していくことになった。

 ※提案した中間支援団体の定義は以下のとおり。(1.地域の市民活動全体の底上げを図る。2.市民活動への資源のながれをつくる。3.地域のさまざまな市民活動団体とつながっている。4.ガバナンス、マネジメント、アカウンタビリティ、アドボカシーが適切。)


1-(2)-3 三重市民活動支援団体協議会設立準備会への参画(2011年1月−5月)       167千円

 三重県全体の市民活動支援の底上げをはかる目的で、三重市民活動支援団体協議会の設立の必要性を認め、その準備会を主導し、期中に3回の準備会に参加した。また、その準備会で三重県のNPO施策のビジョンづくりに取り組む事業として、『三重県のNPO施策への政策提言事業』を「NPO支援機能強化事業企画提案」事業で三重県NPOグループに提案したが選外となった。

 平成22年8月から平成23年2月まで12回にわたって開催した「みえNPO検討会」事業で毎回顔を合わせていた10人ほどの三重県各地の中間支援団体のキーマンたちが、今後の三重県のNPO施策の展開をふまえて、平成23年1月21日三重市民活動支援団体協議会設立の準備会立ち上げを協議し、2月4日に、三重県の緊急雇用対策を活用した「NPO支援機能強化事業企画提案」に『三重県のNPO施策への政策提言事業』を応募することとした。毎月一回、中間支援の関係者が集まって三重県のNPO施策とビジョンについて公開で議論していこうというこの提案は事前審査の書類選考のレベルで選外となったため、3月13日に予定されていたみえNPO検討会が行う「未来社会フォーラム」の場で今後について多くのNPO関係者と話し合うことになっていた。ところが3月11日の東日本大地震による津波警報が続いて中止となったため、この準備会の活動は一時止まることになった。5月12日「新しい公共支援事業」の説明会でアスト津に集まったことをきっかけに、同日あらためて3回目の準備会を開き、三重県の市民活動全体のことを考える「中間支援団体が集まった組織」としてのあり方や、「みえ市民活動ボランティアセンターの指定管理」などについて、引き続き集まって議論していくことになった。

2.主として市民活動団体に対して行う事業
−(3) まちのさまざまな課題を解決しようとしている市民活動の調査研究事業          31千円
−(4) その市民活動への応援事業                            3114千円


2-(3)-1 市町村の市民活動センターの交流会等への参加
(2010年10月17日、2011年3月26日) 31千円

 桑名市市民活動センターが行う市民活動交流会に2回参加し、地域の市民活動団体との情報交換・交流を行った。

 平成22年10月17日桑名の御台所祭で、桑名市市民活動センターが企画した市民活動団体アピールに参加し、展示とまちのかわら版の配布を行った。これに先立ち、打合会にも参加した。また、平成23年3月26日にくわなメディアライブ多目的ホールでの市民活動団体交流会に参加して展示を行い、また、市民ガーデンティルスさん、まちのファンクラブと協働で「震災支援活動を支えるバザー」を行った(詳細後述:2-(4)-4みえ災害ボランティア支援センターへの支援事業)。これについては市民活動交流会の実行委員会をつくって行われたので平成23年1月27日と2月21日の2回参画した。

 桑名員弁地域を主たる対象地域としている当会だが、事務所所在地での登録が桑名市であることと、まちのファンクラブの事務局としていなべ市や東員町での市民活動交流会などに参加してそこでさまざまな団体と情報交換・交流する機会もあることから、当会としての参加は桑名市の市民活動センターが行う市民活動団体の企画にとどまった。


2-(4)-1 「桑員まちのファンクラブ」への支援事業(通年)               390千円

 桑名員弁地域で市民活動に関心のある人たち91名のゆるやかなネットワーク「桑員まちのファンクラブ」の事務局を担い、4回の交流会への参加と1回の情報交換会を行った。また、ホームページ、会員メーリングリスト、世話人・運営委員メーリングリストの提供と、サーバーの移行にともなう再設定を行った。また、ふたつの事業の後援を行った。

 平成15年4月のまちのファンクラブ設立以来、当会はその事務局を担って丸8年を越えた。その間に会員の増減はあったものの、この数年90名前後で推移している。会員はメーリングリストを活用して442本のNPOに関わる情報交換を行っている。ホームページでは、事業案内、これまでの事業報告、まちのファンクラブの説明、入会方法などを掲示している。平成23年4月にはサーバーの移行にともない、これらの再設定を行った。

 情報交換会としては、平成22年6月23日に「まちファンの集い」を旧桑名市内のお好み焼き屋さん八百勇で行い、事業報告・決算、やってみたい事業についての意見交換や市民活動に関わる情報交換を行った。

 交流会としては、平成22年 9月11日(土)12日(日)に、ヨシヅヤ員弁店のセンターコートで行われた「いなべ市市民活動センター市民活動広報イベント」の展示と体験コーナーに参加した。また、平成22年9月20日には、桑員エコリーグと東員町が主催して東員町中部公園で行われた「そういんエコフェスタ2010」で、エコ展示・エコ体験に参加した。また、平成22年10月17日には、桑名市市民活動センターが企画した「桑名の御台所祭り」での市民活動団体の展示・体験コーナーに参加した。それぞれに、市民活動に関わる人たちやまちファンメンバーの交流が行われ、またまちのかわら版ペーパー版(2010年秋号)を配布した。

 また、平成23年3月26日に、桑名市市民活動センターが企画した桑名市市民活動団体交流会では、展示の他に、市民ガーデンティルスさん、みえきた市民活動センターと協働で「震災支援活動を支えるバザー」を行った。(詳細後述:2-(4)-4みえ災害ボランティア支援センターへの支援事業)

 後援は、北勢線の魅力を探る会が平成22年9月23日に行った「第15回北勢線の魅力を探る 〜八風街道が通った梅戸を歩く〜 東員駅から梅戸、大泉駅までを辿る散策」と、同会が平成23年4月16日に行った「第16回北勢線の魅力を探る 〜行く春を いなべの里に 出会いたり〜楚原駅から大泉駅までを辿る散策」のふたつの事業に行った。


2-(4)-2 「特定非営利活動法人 みえNPOセンター」への支援(1)(通年)        268千円
      
理事・評議員各1名を輩出し、特定非営利活動法人みえNPOセンターの運営を支えた。また、情報交換会などの事業に参加した。平成23年3月末で理事として担当していたみえNPO検討会の事業が終了したのにあわせて理事を辞任して引き上げた。

 みえNPOセンターは、三重県が設置しているみえ市民活動ボランティアセンターの指定管理を受けている団体であり、これまで三重県という単位で中間支援の活動に関わってきた人たちの集まりでもあることから、理事、評議員各1名を輩出し運営を支えた。理事は期中7回全ての理事会に出席した(2010年6月25日、7月23日、8月20日、9月24日、10月11日、11月19日、2011年3月18日)。評議員は期中3回の評議員懇談会に出席した(2010年7月23日、12月10日、2011年5月9日)。また、両人とも総会に出席した(2010年6月2日)。事業としては、市民活動(支援)センター情報交換会に出席した(2010年8月23日)。

 理事としては、みえNPOセンターの会員が評議員になっていただけたり会員でいていただけたりすることでみえNPOセンターに信用を与え支えてくれていることを理事会で説明した。会員を大切にするために、会員メーリングリストをつくり、事業の案内・報告などをきちんとするように提案した。メールの発信は発信者の個人名を添えることと、感謝の表現を必ずつけることを提案した。中間支援組織に対する各種事業の案内をきちんとするように提案した。理事会の不規則な開催をあらため毎月定期的に開催するように提案した。理事会に事業毎に計画・予算の計上をするよう提案した。理事会に事業毎に報告・決算をするように提案した。ホームページを作成し、NPO法人としての情報公開をきちんとするように提案した。

 理事は、理事として担当した「みえNPO検討会」の事業が終了したのにあわせて、平成23年3月末で理事を辞任して引き上げた。評議員はひきつづき輩出した。


2-(4)-3 「特定非営利活動法人 みえNPOセンター」への支援(2)           2227千円
     「みえNPO検討会」のプロデュース(2010年6月−2011年3月)

 前期に同事業の企画・プレゼンを行い、三重県NPOグループより緊急雇用対策を活用した「NPO支援機能強化企画提案事業」で420万円の委託契約を得た。これを受けて6月から実施の準備を行い、8月から翌年2月にかけて実施し、3月に報告書をまとめ決算を終えて完了した。三重県内各地の中間支援組織の若手・キーマンを中心とした15人の検討委員が、全国的に著名な12名の講師から「NPOの新しいうごき」の話題提供を受けて議論した。これらをインターネット中継し、逐語議事録をホームページに掲載したりして、多くの人たちに発信し、検討内容の共有を図った。

 みえNPO検討会は、三重県内各地の中間支援組織の若手・キーマンによる「NPOの新しいうごき」の意見交換の様子を、インターネットの音声同時中継やツィッターの並行発信、メーリングリストやホームページを通じて強く全国発信することで、三重県内外のNPO関係者に三重の中間支援組織の存在感を高め、併せてそれぞれの参加者が多様で具体的な関係づくりを進めることが、企画書の行間に示した目的のひとつだった。この意見交換のテーブルに、ラストコメンテーターとして三重県でがんばっている20名のベテランのNPO関係者に関わっていただき、三重の経済関係団体や東海三県の中間支援NPO、三重県内の公設市民活動センターの方々など22団体からの後援をいただく形で、マルチステークホルダーの参加をつくり、三重の各地域で活躍する中間支援組織の姿を見ていただくことができた。毎回の意見交換の会場には、当会より、プロデューサー1名、検討委員1名の他に理事1名がサポートとして参加した。

 3月13日に予定していた「未来社会フォーラム」は東日本大地震の影響で中止となったが、報告書の中に当日予定していた座談会を差し込むことができた。本来であればこのときに、多くの方々の参加を得て、三重県の中間支援組織の集まりで次ぎの取り組みに向けた話し合いを行うはずだったが、それができなかったのは残念だった。このため、2ヶ月ほど中間支援団体の集まりのうごきが遅れ、結果として平成23年度以降に三重県が行うさまざまなNPOへの施策への対応が遅れることになった。

 最終的に、A4で40ページを越える報告書をまとめ、決算を行った。資金としては4,203,319円の支出だったが、多くの方々からの持ち寄りに支えられて実現できた事業だった。


【みえNPO検討会 検討委員】
端無徹也/東紀州コミュニティデザインセンター 事務局長。東原達也/志摩市民活動通信 sanpo 代表。浦田宗昭/特定非営利活動法人いせコンビニネット いせ市民活動センター長。米山哲司/特定非営利活動法人 Mブリッジ 理事長。川北輝/特定非営利活動法人 津市NPOサポートセンター 理事長。佐藤貴宜/特定非営利活動法人 市民ネットワークすずかのぶどう 事務局。松井真理子/四日市NPOセクター会議 議長。金憲裕/特定非営利活動法人 市民社会研究所 副代表理事。近藤順子/特定非営利活動法人 みえきた市民活動センター 理事。中村伊英/まちづくりNPO ウィリアム・テルズアップル 代表。坂本直司/特定非営利活動法人 なばりNPOセンター 理事。山本康史/特定非営利活動法人 みえ防災市民会議 議長。竹村浩/特定非営利活動法人 三重県子どもNPOサポートセンター 事務局長。浅野聡/特定非営利活動法人 みえNPOセンター 評議員。市川岳仁/特定非営利活動法人 みえNPOセンター 評議員。

【講師とテーマ】
「未来に向けて」伊井野雄二/みえNPO研究会。「ISO−SR26000」新田英理子/特定非営利活動法人 日本NPOセンター企画主任。「公益ポータルサイト」山田泰久/財団法人 日本財団CANPAN事務局。「NPOネットワーク」実吉威/特定非営利活動法人 市民活動センター神戸理事・事務局長。「地域創造基金」深尾昌峰/公益財団法人 京都地域創造基金理事長。「NPO会計基準」水谷綾/社会福祉法人 大阪ボランティア協会 事務局長。「政策提言」松原明/特定非営利活動法人 シーズ=市民活動を支える制度をつくる会 副代表理事。「コミュニティメディア」松浦さと子/龍谷大学経済学部准教授。「企業の社会的責任」萩原なつ子/立教大学大学院21世紀デザイン研究科教授。「中間支援組織」横田能洋/特定非営利活動法人 茨城NPOセンター・コモンズ 常務理事。「コミュニティビジネス」山田裕子/特定非営利活動法人 大阪NPOセンター理事・事務局長。「税制支援」鈴木歩/特定非営利活動法人 シーズ=市民活動を支える制度をつくる会 コミュニケーションディレクター。「新しい公共」服部則仁/特定非営利活動法人 みえきた市民活動センター 理事長。


2-(4)-4 前掲以外の市民活動団体への支援(通年)                   227千円

 期中に、桑員エコリーグへの「メーリングリストの提供とエコフェスタへの参加」、パートナーシップサポートセンターへの「企業とNPOの協働事業アイデア提案事業への応募と参加」、いなべこども活動支援センターへの「NPO法人格の学習会の講師派遣」、エンパワメントみえへの「新規事業の展開への対応アドバイスとサポート」、みえ災害ボランティア支援センターへの「バザーと募金よる寄付と、緊急集会・三重−東日本大震災への参加」などの支援を行った。

○桑員エコリーグへの支援(通年)
 桑員エコリーグは、桑員地域の環境分野に関する団体・個人が40名ほど集まっている団体で、10年以上の活動実績を持っている。この会員メーリングリストと幹事会のメーリングリストを提供した。平成22年9月20日には、東員町中央公園で「桑員エコフェスタ」を開催したのでブース参加をして協力した。また、この関連で平成22年7月18日、四日市市桜の鈴鹿山麓サーチパーク=三重県環境学習情報センターにて、「三重県のみえ子どもエコフェスタ」が行われ、そこでの木工体験のボランティアスタッフとして応援した。

○パートナーシップサポートセンターへの支援(2010年10月20日、12月17日)
 パートナーシップサポートセンターは名古屋で10年以上の活動実績を持つ、「企業とNPOの協働・連携」に主眼をおいたNPO法人で、大手企業の社会貢献担当者などが会員となっている。毎年「企業とNPOの協働事業アイデア提案」事業を行っているが、ここ数年は中部9県と対象を拡大してきた。しかし三重県からの応募がなかなかないことから、三重県のNPOの存在を示す意味でも、平成22年10月20日締め切りの「企業とNPOの協働事業アイデア提案」に応募し、平成22年12月17日に名古屋の名古屋栄ビル12階で行われた審査発表会に参加した。

○いなべこども活動支援センターへの支援(2011年1月25日)
 いなべこども活動支援センターは、いなべ市の旧員弁町を中心に、地域の大人達が講師となって子どもたちに体験・学習の機会を提供するコミュニティスクールの活動をこの10年に渡って続けている。任意団体として活動をしてきたが、NPO法人化への検討を進めている。当会としてその相談を受け、平成23年1月25日、いなべ市市民活動センターにて、NPO法と法人格の取得などについて「NPO法人って何だろう」というテーマで勉強会を開催した。当日は、いなべ子ども活動支援センターさんだけでなく、NPO法人こどもぱれっとさん、NPO法人いなべ市文化協会さん、NPO法人スプリングさんが参加され、認定NPO法人制度についても軽く紹介した。

○エンパワメントみえへの支援(2011年2月−3月)
 エンパワメントみえは、社会的に力を持たされていない人が本来持っているはずの力に気づき、その力を発揮するようなサポートやワークショップの活動を10年近く行っている。今回、三重県からDV被害母子へのメンタルケア事業の委託を受けるにあたり、実施体制、事務局機能、財務・労務の強化などについて相談を受け、当会でそれぞれに専門知識を持つメンバーが対応しアドバイスした。また、新たな事務局の設置場所を紹介した。

○みえ災害ボランティア支援センターへの支援(2011年3月17日から4月11日)
 平成23年3月11日の東日本大地震の発生を受け、桑名市市民活動センターが企画して3月26日にくわなメディアライブで行われた桑名市市民活動団体交流会で、市民ガーデンティルスさん、まちのファンクラブと共同で「震災支援活動を支えるバザー」を行った。震災発生当初ということもあり、義捐金の寄付募集が圧倒的な中で、実際に現地に行って震災復興のボランティア活動を支援する「みえ災害ボランティア支援センター」への寄付と明記した寄付箱も設置した。10名ほどの方から物品の提供があり30名ほどの方から購入とご寄付をいただいた。前後の期間と併せて、合計30,914円を、まちのファンクラブのメンバーでもある桑名防災支援ネットの方を通じて、4月2日にみえ災害ボランティア支援センターさんに寄付した。
 また、4月11日には、津市のみえ県民交流センターで、同センターが主催して行った「私たちできることを考える緊急集会・三重−東日本大震災−」に参加した。


3.主として、不特定多数の市民に向かって行う事業
−(5) その市民活動を行いやすい環境の調査研究事業                  0千円
−(6) その市民活動を行いやすい環境づくり事業                 2827千円


3-(6)-1 まちのかわら版ITによる市民活動団体情報の提供 (通年)           2562千円

 地域で市民活動を行っている方のインタビューを中心にインターネットで提供しているまちのかわら版ITは、ほぼ1ヶ月に1回の割合で11回発行し、12の市民活動団体の紹介をした。また、「子どもが抱える課題」や「郷土の歴史」の連載、「NPO法・税制」「新しい公共支援事業」「東日本大地震」などNPOの周辺の時事情報の提供を行った。また、ペーパー版のまちのかわら版2010年秋特集号を発行し、折々に配布した。

 まちのかわら版ITは始めて3年5ヶ月が経ち、38号まで発信することができた。この間に88の市民活動団体の方のインタビューをホームページ上に掲載してあり、今期も12の団体の紹介をすることができた。このインタビューは20〜30分程度だが、ノーカットで提供しており、それぞれの市民活動団体の目的や取り組みを紹介するだけでなく、そこに関わる方のお人柄なども伝えるようにしている。インタビューした市民活動団体の一覧でも、行政でも提供できるようなすばやく検索できて便利な文字情報として提供するのではなく、それぞれ市民活動団体がどのような雰囲気で活動されているかを伝えるようにしている。地域の市民活動団体を知りたいと思っている人たちだけでなく、これから市民活動に関わろうとか支援しようとか思っている人たちにとっても、市民活動団体を選択する上で、それらの要素も大切な情報として音声ファイルのままで提供している。

 また、郷土史家でまちづくりにも熱心な西羽晃先生の地域の歴史にまつわる連載を11本、子どもの問題やエンパワメントに取り組む志治優美さんと関係者との対話を10本、NPO・市民活動の周辺の時事の話題を5本、提供することができた。その中では「幕末の桑名藩の様子」や「子どもが抱える課題」、「NPO法・税制」「新しい公共支援事業」「東日本大地震」などの情報提供をすることができた。

 また、平成22年9月9日には、それまでの連載記事のインデックスをまとめた「まちのかわら版2010年秋特集号」1000部を発行し、各地の交流会などで配布した。


3-(6)-2 インターネット、ホームページによる市民活動情報の提供 (通年)          193千円

 全国規模のNPOに関わる大きなうごきや、全国各地の注目に値するNPO関連情報、三重県やこの地域の市民活動情報など319本を、メールで発信した。また、この地域の88の市民活動団体情報を掲載している。4月にはホームページのリニューアルを行った。

 日本NPO学会や日本NPOセンター、あるいは全国各地の中間支援NPOが提供しているメーリングリストなどを通じて提供されるさまざまなNPO関連情報の中から、主としてNPOの方向性にかかわる情報や分野別でも新しい試みやこの地域での市民活動にも参考になるような情報を選択編集して、この地域や三重県を中心としたメーリングリストに情報提供した。また、まちのかわら版ITや三重県行政のとりくみ、この地域のすぐれて先駆的な市民活動情報を、全国や東海三県のNPO関係のメーリングリストに提供した。

 ホームページにおいても、当会の取り組みやまちのかわら版IT、市民活動団体紹介インタビューなどを掲載して、地域の市民活動情報を人々に提供している。

 また、平成23年4月12日には、サーバーの更新にともなってホームページをリニューアルし、提供している各種のメーリングリストの再設定を行った。


3-(6)-3 東日本大地震の震災への対応 (2011年3月14日〜)               72千円

 平成23年3月11日の東日本大地震への対応として、ホームページで震災被害や支援活動のすばやい情報提供を行った。その関連で、「震災支援全国ネットワーク」に加入した。また、翌期に開催を予定している座談会「震災をあらためて考える & 市民の活動を応援する」の準備を行った。

 平成23年3月11日の東日本大地震の発生を受け、当会は3月14日に緊急理事会を開催し、「資金」「人」「もの」「情報」のそれぞれについて、当会としての対応を決定した。地震発生当初、被害の状況、被災地への移動手段、ボランティアニーズが伝わってこないことから、正確な情報を得られるルートを模索し、行政情報、民間情報の両面から、「被災地からの情報」「支援物資」「募金」「ボランティア」などの確かな情報提供先のホームページアドレスを紹介した。その関連で、全国のNPO600団体で構成する「震災支援全国ネットワーク」に平成23年4月5日に加入し、より正確な被災地の状況・援助ニーズの把握とそれらの情報提供につとめた。

 また、翌期に開催を予定している、ボランティア活動などで実際に現地に行ってきた人たちの座談会「震災をあらためて考える & 市民の活動を応援する」の準備を行った。

みえきた市民活動センター 〒511-0088 三重県桑名市南魚町86 TEL:0594-27-2700 FAX:0594-7-2733 E-mail:miekita@mie-kita.gr.jp